「UA値はいくつですか?」
住まいづくりにおいて、そんな質問をいただくことがあります。
もちろん、断熱性能や気密性といった“数値”は、快適さの裏付けとして大切な要素です。
スタジオダイワも、設計段階から素材選び、施工精度に至るまで、性能を高めるための工夫を惜しみません。
けれど、私たちが本当に届けたいのは、数字では測れない“住み心地”です。
たとえば、冬の朝に素足で歩いても冷たさを感じない床。
夏の午後、窓辺にいてもじんわりとした暑さに包まれない空気。
それは、数値の先にある「体感」としての快適さであり、暮らしの質そのものです。
UA値とは何か、そしてその限界
UA値とは何か
UA値(外皮平均熱貫流率)は、住宅の外皮(外壁、屋根、窓など)からどれだけ熱が逃げるかを示す数値です。
小さいほど断熱性能が高く、省エネ性も高いとされます。
設計段階での性能評価においては非常に有用な指標です。

比較条件:外皮面積355.29㎡/【FP】FP軸組工法UA値0.46W/(㎡・K)、【一般】一般住宅UA値0.82W/(㎡・K)●床/【FP】硬質ウレタンフォーム88㎜、【一般】グラスウール16K100㎜ ●壁/【FP】硬質ウレタンフォーム105㎜、【一般】グラスウール16K100㎜ ●天井/【FP】セルロース吹込300㎜、【一般】グラスウール吹込200㎜ ●サッシ/【FP】高断熱ペアガラス、【一般】アルミ・ペアガラス
UA値の限界とは
しかし、UA値には“限界”があります。数値では捉えきれない、
暮らしの質に関わる要素が存在するからです。
■ 設計段階の理論値であり、施工精度や素材の特性は反映されない
■ 体感温度や湿度、空気の流れといった“肌感”は数値に現れない
■ 素材の蓄熱性や調湿性など、暮らしの質に関わる要素は含まれない
つまり、UA値は「断熱性能の目安」にはなっても、「住み心地のすべて」を語るには不十分なのです。
スタジオダイワが体現する“断熱への考え方”
「断熱=空間の質」という設計の考え
スタジオダイワは、断熱性能を単なる数値ではなく、「暮らしの質を支える要素」として捉えています。
その考え方を形にする素材が、FPパネルです。
FPパネルの性能と役割
FPパネルは、硬質ウレタンフォームを用いた高性能断熱材であり、
以下のような特徴を持ちます:
■ 熱伝導率が非常に低い:同等の断熱性能を得るために必要な厚みが少なくて済む
■ 工場で一体成形された高精度なパネル:現場施工のムラを抑え、性能を安定化
■ 構造体に面で支える設計:断熱欠損を最小限に抑え、気密性と断熱性を両立
■ 経年劣化が少ない:長期的に断熱性能を維持できる信頼性
スタジオダイワでは、これらの性能を「設計の考え方の延長線上」として活用し、
断熱材を“空間の質を支える素材”として位置づけています。

FPパネルがもたらす“数値以上の快適さ”
FPパネルによって生まれる快適性は、UA値では測れない体感的な価値です。
暮らしの中で感じるメリット
■ 室温の安定性:外気の影響を受けにくく、暖冷房効率が高い
■ 壁際の冷えがない:冬でも壁際が寒くならず、家全体が居場所になる
■ 空間の質が向上:断熱と気密の一体化により、音・湿度・空気感が整う
これらは、数値では表現しきれない“住み心地”の核心です。
UA値の先にある“想いと素材の融合”
UA値は、断熱性能を測るうえで欠かせない指標です。
しかし、住まいの本質は、数値の先にある「設計の考え方」と「素材へのこだわり」に宿ります。
スタジオダイワは、FPパネルを通じて「断熱=空間の質」という想いを形にし、
数値では語れない“住み心地”をひとつひとつの住まいに込めています。
住まいとは、数字ではなく、そこで過ごす時間の質で語られるべきもの。
私たちは、そんな本質を見つめながら、設計と素材に“想い”を込めて、住まいづくりに向き合っています。